結局、なにも得ることなく家に帰るしかなかった。 俺は受験生で、この冬には受験して、春になったら大学生で――。 そんな普通すぎる将来はもうない。 俺はシャーペンを放り投げてベッドに転がった。 勉強なんてもう意味がない。 このまま倒産ってなったらどうなんのかな? 俺は『倒産』することとか、『借金』とか、 そう言うのを理解してるようで、 理解できていなかった。