俺が一歩近づくと後ろに下がろうとするから、彼女の肩を捕まえた。 瞬間大きくビクつく身体。 そんな反応に思わずクスリと笑ってしまった。 「金、欲しくないのか?」 俺の台詞に胸元でギュッと手を握る彼女。 怯えた瞳は真っ直ぐに俺に向けられて、 「欲しい、です」 震える唇は言葉を紡いだ。 健気だねぇ。 今まで金に困ったことなんて無かっただろうに。 『働く』なんて思ったことも無いだろうに。 俺は口の端を上げて――、