【短編】或るOLの憂鬱~セクシャルハラスメント



涙が止まらなかった。


そして、浅はかだった自分が嫌になった。


なんでこんな男を信じてしまったのだろう。


なんで体を許してしまったのだろう。


なんで、大事な初体験を、こんな男に捧げてしまったのだろう。


体の中から涌き出てくるのは、自分への嫌悪感と、彼への怨念だけだった。


わたしは心も体も、色を失った、と思った。


それから、わたしは男という生き物を信じられなくなった。


もう二度とあんな思いはしたくない、と、男を避けてきた。


大学生になっても、それは同じだった。


男と深く関わらなければ、あんな思いはしなくて済む。


それが唯一自分を守る手段だった。