涙が止まらなかった。
そして、浅はかだった自分が嫌になった。
なんでこんな男を信じてしまったのだろう。
なんで体を許してしまったのだろう。
なんで、大事な初体験を、こんな男に捧げてしまったのだろう。
体の中から涌き出てくるのは、自分への嫌悪感と、彼への怨念だけだった。
わたしは心も体も、色を失った、と思った。
それから、わたしは男という生き物を信じられなくなった。
もう二度とあんな思いはしたくない、と、男を避けてきた。
大学生になっても、それは同じだった。
男と深く関わらなければ、あんな思いはしなくて済む。
それが唯一自分を守る手段だった。

