そして、わたしは彼の欲求を拒み続けることにも疲れていた。 拒み続けることで、「捨てられるかもしれない」という不安もあった。 自分を押し通すことがだんだん面倒になってきたわたしは、ある日、とうとう、観念してしまった。 きっと、小説や漫画のように優しくしてくれる。 彼ならきっと大丈夫。 そう信じていた。 しかし、実際は思い描いていた甘いものではなくて、彼の愛情などまったく感じられないただの押しつけの行為だった。 苦痛のほか、何物でもなかった。