当時、高校生だったわたしは、自分で言うのもどうかと思うが、本当に純朴な学生だった。
まだ誰とも付き合ったことがなく、両思いに憧れる女の子だった。
ところが、高校二年の夏、転機が訪れた。
友達の紹介で知り合った男子校の彼と付き合うことになったのだ。
決してルックスも悪くない彼が、わたしのことを気に入ってくれたらしい。
誰とも付き合ったことのなかったわたしは、自分のことを気に入ってくれたことが信じられなかった。
そして、嬉しくてたまらなかった。
彼とのデートは楽しかった。
そして、わたしは、隣りに彼がいてくれるだけで、自分に自信が持てた。

