【第三部】鬼に愛された女



「抵抗しないんだ。なに、俺たちに興味ありげ?」


「離してっ」


「なら抵抗してみろよ」

バカにしたように笑い出すと、美月を囲むようにして徐々に距離を縮めてきた


もうだめだと諦めていたとき、聞き慣れた声が美月の耳に届いてきた


「なにしてんだ。美月を離せ」


「百鬼!?」


そこにはどす黒いオーラを放つ神威がいた


この場にいた誰もが本能で殺されると自覚していた


「ちょっ、冗談だって!なぁ?」


美月を掴んでいた男は手を離し、周りに助けを求めた


それにあわせて周りも冗談だと口を合わせ始めた