【第三部】鬼に愛された女



「確か三階だったよね?」


あまり行かない階に緊張しながらも、ゆっくりと階段を上ってゆく


「三組…三組……あ、ここだ」


階段を登り終わると、"三年三組"と表示されている教室を見つけた


ここだよね?


えっと、神威は…


ひょこっと顔を出して神威の姿を捜してみるが、教室に神威の姿はなかった


あれ?すれ違ったかな


戻ろうときびすを返すと、誰かにぶつかってしまった


「ご、ごんなさい!」


顔も見ずに頭を下げる


「美月なら大歓迎だから大丈夫だよ」


……あれ?この声は


聞き覚えのある声が頭の上から聞こえてきたため、そっと顔を上げるとそこには神威の姿があった

「げっ。神威…」


「もしかして美月、迎えに来てくれたのか?」