【第三部】鬼に愛された女



――中庭




「美味しそう!いつもいつもありがとうございますっ。じゃぁ、いただきまーす」


中庭に広げられた小夜子お手製の弁当に箸をのばすと、小夜子は弁当を持ち上げてそれを阻止する

「ちょっとまったぁ!兄さんがまだ来てないから」


「え゛…。まさか来るまで食べないつもり?」


「もちろん♪」


「でもでも!いつ来るかわからないし」


「なら10分くらいは待ってあげようよ」


そんな……


まさかこんな所でも神威に邪魔されるなんて……!


大きなため息と共に箸をおろすと、小夜子が一つ提案してきた