「そうなんだ、残念。今日は久しぶりに兄さんと弁当食べたいなって思って。え?美月いるよ」
そう小夜子が言うと……
『なぜそれを先に言わないんだ!美月いるんだな?いるんだよな!?わかった行く。用事終わらせたらすぐ行く。じゃぁな』
「兄さんまっ…」
待てとそう言おうとするが、言い終える前に電話を切られてしまった
神威の勢いに何も言えずにいた小夜子は、思わず目が点になる
「切れちゃった」
「みたいだね。てか、声だだ漏れだったよ」
呆れ顔に近い笑みを浮かべる美月
「それほど嬉しかったんじゃない?一緒に食べるの久しぶりなんだし」
「……」
それでも異常過ぎるのではないか
なんて思うのは自分だけなのかと疑問を浮かべるが、なんとも言えない空腹感にどうでもよくなってくる
「お腹空いちゃった。小夜子、中庭行こう?」
「行こっか」
小夜子は大きな弁当を抱え直すと、携帯をしまって美月と教室をあとにした

