「もぉ、小夜子はどっちの味方なのよ」


「私は恋する者の味方よ」


「小夜子の裏切り者ぉ!」


くしゃりとメモを握りつぶすと、机に顔を伏せて手をばたばたと動かして美月は嘆いた


「小夜子はいいの?私があんなけだものに汚されてもいいの?」


「……一応私、そのけだものの妹なんだけど。ま、無理強いはしないわよ。気が向いたらメールしてあげて。それならいい?」


「それならいいけど……」


美月は顔を起こしてメモをもう一度見てみた


まぁ一回くらいはいいかな


美月も携帯を取り出して神威のメアドを写して"今朝はごめんなさい"とメールを打った


送信ボタンを押そうとすると……


「あれ兄さんじゃない?」


「え、どこ?」


「ほらあれ。物凄く暗いオーラ出してるあれ」