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「で、兄さん殴って出てきたと」
「だって小夜子(さよこ)。神威ったら本当にしつこくて」
どうにか神威から逃げて登校した美月は、親友の小夜子に愚痴をこぼしていた
信じられないことに、小夜子はあの神威の妹
「でも兄さんも兄さんよね。これじゃ先が思いやられるわ」
「小夜子から何か言ってよぉ」
「あー無理無理。兄さんは美月のことになると全く話聞かないもん」
手をひらひらと動かして神威と同じ言い方で無理だと言い放つ
「薄情者ぉ。……はぁ、どうしてあんなに構ってくるのかな。許婚っていっても親が酔った勢いでした約束事なのに」
「いいんじゃん別に。兄さんのこと嫌いではないんでしょ?」

