時は平成


ある神聖な森の中に、大きな屋敷があった


立派な門には、百鬼と表札されていた


今宵、新たな命が誕生しようとしていた


「奥方様、さぁもう一度」


産婆が百鬼家当主の奥方に、力むよう伝える


「もう少しです。……おぉ、産まれた。産まれましたよ!」


奥方、百鬼ユヤから取り上げられたら赤子は、酸素を吸って、勢いよく鳴き声を上げる


「奥方様、元気な男の子ですぞ!」


「男の子……?早く私の子を見せて」


疲れきって起きることもままならないのに、ユヤは我が子が見たいために、手を伸ばす