簪彼女。



けれども、本当の事なんて言えるわけない。


だって、言ったらきっと高橋君は自分のせいだって思ってしまう。


それは違うんだから、だから言えない。


私はゆっくりと首を振って見せて、真っ直ぐに高橋君を見た。


高橋君も私を真っ直ぐに見ていて、―――…………ごめんなさい、高橋君。



「なんかね、飽きちゃった」



「……は?」



「だからね、飽きちゃったんだ。あの簪。だってさ、今時赤い玉簪なんて何時代の人だよ、って話じゃない?」



「待てよ、赤松……」



「そろそろ私も可愛い髪飾りとか……」



「おい、」



「て言うか、思いきってショートにしちゃうとかどう?似合うかな?」



「赤松!!」



「……っ、」