学校へ登校。


昇降口に入って、下駄箱の蓋を開けようとしたときだった。



「おはよう、雪んちょ!昨日はどうだった!?」



「ま……まぁあーちゃぁあああん!!」



ぽんっと肩を叩かれて、振り向く。


当然、そこにいるのは親友のまーちゃんで。


昨日の文句を言おうと、私はすごい形相をしてまーちゃんにつかみかかった。


「何……これ」


けれども、まーちゃんは私を通り越した所に目線をやって唖然としていた。



「……え?」



意味がわからなくて、そのままの状態で固まる。



「……そんな、もう……」



小さな声でまーちゃんが呟くのが聞こえた。


みるみる歪んでいく顔。


ただごとじゃないと、私も振り返ろうとした、刹那。


パコン!と音がして、誰かの手で下駄箱の蓋が閉じられた。



「あ、高橋くん……」



「はよ、赤松。小野も」



にっこりと高橋くんが笑った。


うわぁ、朝からなんて爽やかなんだろう。