そして何故か、高橋くんもまーちゃんに連れられてやってきた。


心なしかそわそわしているように見えて、私は首をかしげる。



「当たり前じゃない、ヘタレ王子」



「うるせぇ」



「だったらビシッと決めなさいよ、そんなモジモジしてないでさ。もとはと言えばあんたのせいよ?……姫を守るくらいしてみせなさいよ」



「……おぅ」



この二人の会話にまったくもってついて行けなかった私は首を傾げたまま。


照れくさそうに頭を掻く高橋くんを見た。



「あ、あのな、赤松」



「うん、なぁに?」



少しだけ、間が空いた。


なな、なんだろう?


部活で使いたいからジャージ返せ、とか?


あ、もしかしてやっぱり女が自分のジャージ着てるなんて気持ち悪いから返せ……とか……!?


高橋くんが黙っている間にも、私の思考回路はどんどんと悪い方向へと向かっていく。