え?


……今、に……何?


大事なところだって言うのに、焦ったように割り込んだまーちゃんの声にかきけされてしまった。



「先生、ほらほらぁ!授業始まっちゃうってーぇ!」



「え、あ、ちょ、先生の台詞全部言わせてくれないと……」



「つか早く行け変態教師!」



「イテっ!」



最後には高橋くんの蹴りも入って。


すごすごと広瀬先生は教壇の方へと向かって行った。


哀れ広瀬先生、まーちゃんと高橋くんの連携プレーになすすべなし。


とは言っても、広瀬先生の言おうとしてたこと、気になるんだけどなぁ……。



「ねぇ、まーちゃん。まーちゃんと高橋くんが先生を撃退させちゃうから先生の言葉が聞き取れなかったよ?」



「……まぁまぁ」



しょうがない、きっとまーちゃんには先生が言おうとしていた事がわかったんだ。


そう思って聞いてみれば、上手く手で制されて。


キーンコーンカーンコーン……



「あぅ……鳴っちゃった」



「しょうがないしょうがない。ま、席に座ろうよ」



「げ、広瀬がこっち見てやがる……」



タイミング良く鳴ったチャイムのせいで私達はバラバラの自席に座った。


もう、まーちゃんたら、上手く誤魔化したつもりなんだろうけど、わかってるんだからね……。