奏雲は首にぶら下げてある小石サイズのクリスタル状の物体を薫に渡した。

「これを持っていろ…必ずお前を導いてくれる…。」


奏雲はそう言うとまるで眠ったかのように目を閉じた。


「お、親父!親父!目ぇ、開けろよ!」


最後は絶叫にも似た声で薫が叫ぶ。


途端、薫と佳奈の視界をまばゆいばかりの光が覆う。


そして再び目を開けると二人は見たこともない場所に立っていた。