「通称、ディメンションボイドと呼ばれる異空間だ。こちらから向こうに強制的に転送してやった。ただし、向こうからこちらに来る手段はない。だから二度と奴らがこちらに現れることはない」

ルーシーの説明を聞いた薫は安心した。


これで親父か果たせなかったものを一つやり遂げた。

それにもうなんの関係もない人たちが殺されることもなくなる。

薫は心から安堵していた。


一方、ほぼ同じ頃、廃墟があったはずの場所に一人の男が立っていた。


「まさか…ここまでやってくるとは…許せん……復讐だ…必ず…!うぉぉぉぉーん!」

咆哮にも似たその声は聞くものの鼓膜をどうにかしてしまいそうな声だった。


そして男は一瞬でその場から消えていた。