エクソシスト

常人なら完全に致命傷を食らうほどの威力であった。

鉄の塊でできた自動販売機は、ぐにゃりと大きくへこんだ。


リーダーは表情のないのっぺりとした顔で、薫がぶつかった自動販売機を見つめていた。

ややあって、薫がガラガラと音をたてながら立ち上がった。


両手のリングからは、キィィィンという甲高い音が響かせながら、青白い光を放っていた。

薫はリーダーを見返し、精一杯の虚勢を張った。


「全然効かないんだけど」