後方に大きく吹き飛ばされた薫は違和感を感じた。


リングの力で致命的なダメージこそくらってはいないものの、普段なら悪魔の攻撃に数回耐えられるはずのリングがわずか一発で機能停止したのだ。

これから先、一発でも攻撃を食らえばこちらの負け。

薫は唇を噛み締め、気合を入れた。


間髪いれず、悪魔は圧倒的なスピードで薫に迫り、攻撃を繰り出してくる。

悪魔の重い一撃を薫はなんとか受け流しながらダメージを防いでいた。


しかし、悪魔は更に力をいれ、攻撃を与えてくる。

薫はなんとか刀で防いだが、身動き一つ取れない状態に押しこまれた。


そしてそのまま、コンクリートの壁に背中からぶつかっていった。

背中に熱い衝撃を感じながら薫の口から血が出る。


眼前では悪魔が爪を光らせ、差し迫ってくる。

死んだ。


と、思ったほぼ同時に悪魔の身体が何やら細長いワイヤーのようなもので縛られていた。