ある日の学校の帰り、佳奈と一緒に帰宅している途中、前から一人の男性がやってきた。

何気ない光景だと思っていたが、彼は何やらブツブツ言いながら歩いていた。

まぁそんな人もいるだろうと思っていたので早歩きですれ違おうとした時、突然、彼の手が薫の心臓に向かって迫ってきた。

心臓を貫こうと放ってきた一撃を薫は一瞬早く繰り出していた刀でなんとか受け止めていた。


しかし、彼の力は圧倒的だった。

少しでも気を緩めようものならたちまち、押し返されるのは明白だった。


薫はなんとか堪えながら、腹部に蹴りをかまし、なんとか小競り合いから脱出した。

途端、今まで人間だったはずの人間がおぞましい姿へと変貌した。

悪魔…


薫は心の中でつぶやくと地面を蹴って悪魔へと迫った。

封魔剣で切ればこちらの勝ち。


薫は一瞬で勝負を終わらせるつもりだった。


しかし、薫の一撃はやすやすと受け止められ、逆に爪が異常に伸び、まるでナイフのようになっている手で思いっきり、腹部を刺された。