「⁉」


あまりに直球だったため、薫は少し驚いた。

親父のあとを?

自分はまだ知らないことだらけだし、正直あんな化け物みたいなやつと闘っていける自信がなかった。


「代々、エクソシストというのは親から子へ、子から孫へと引き継いでいくのが一般的なんだ。だから奏雲が死んだいま、やつの後を継げるのはお前しかいないんだ。」


女性は薫の心境を察していなかったわけではなかった。

しかし、彼女にもそれなりの立場というものがある。


ここで引き下がってしまうわけにはいかなかった。


「…………」



短い沈黙のあと、薫は口を開いた。


「わかった…やる。まだわかんねぇことだらけだけど。親父の死は無駄じゃなかったって証明してみせる。それが……オレに出来るたった一つの償い方だ!」


薫にはほんの少し戸惑いがあったがそれを打ち消すくらい大きな声で叫んだ。


それが自分にとって覚悟を決めたということだった。