コンビニに着くと、僕は自分の食糧を取る前に、人質に取っている女の食糧をカゴに入れた。


「フルーツティー、惣菜パン、チョコレート、お菓子……うん。これで全部だな」


毎回似た様な物を頼まれる。

この寒い時期に、僕の方で用がなくても、買い物や用足しに行かされる事もある。

正直面倒だと思ったりする事もあるが、人質の希望にはなるだけ答えろっていうのがαの指示の一つにあるので仕方ない。

そういった事を考えると、αの考えが余計わからなくなる。

まぁ、大事な人質だ。気が触れて自殺でもされては大変だという事だろうと僕は推測する。

……………………………

買い物を終え、コンビニの白い壁に掛けられた時計に目をやると、僕に与えられた時間は後一時間半も残されている。


「さて……すぐ帰るのも勿体ないし……」


僕は近くのゲーセンに行く事にした。