「成績は悪くないし、顔だって悪ない」 「へぇ…」 「若干冷たい態度だけど、すぐ顔に出てさ、なんか気になるんだよね」 「……」 それから、俺はなにも言わなかった。 ただ、黙って聞いていた。 先生が好きなやつは、幸せだろう。 こんなにいいやつに好かれてんだ。 「……ずりぃよ」 思わず声にしていた。 気がついてハッとした。