あっけにとられて いる洋二と昨夜 思い出をくゆらせ ながら丹念に折っ たハリセンとを残 し、お会計もせず に店を出てから、 勢いにまかせて馴 染みのない電車に 飛び乗り、見知ら ぬ駅におりた。ロ ータリーに直立し ていた案内図を眺 め、なんとなく 『みどり川』を目 指すことに決めた 。日はまだ高い。 段々と木が増えて きて、徐々に森に なる。