青葉の色が変わっていく季節……秋。
あたし、由美、奈菜、優、陽はよく一緒にいた。
クラスの友だちとも関係は良好で、毎日が楽しくてしかたなかった。
だけど……
ある日変わってしまった。
「……な…んで?」
「絢どうしたの?」
朝、登校して机の中の教科書に触れると、びりびりに破られていた。
机の上に出すと……
1冊じゃなくて机の中に置いてあった教科書が全部破られている。
「ひど……絢! 職員室行くよ!」
「待って由美! 大丈夫」
「え? じゃあ陽くんにでも……」
「お願い! 陽にも内緒にして」
陽に心配はかけられない。
「教科書ならまた買うから大丈夫!」
「絢……」
「由美、ありがとう」
そう、微笑んだけれど……
内心泣きたくてしかたがなかった。
「由美、先に理科室行って! ちょっとお手洗い!」
「うん……」
ひとりになりたかった。
まず、落ち着けあたし。
でも……こんな状況でどうやって落ち着けば?
びりびりの教科書を見つめながら、あたしはしゃがみこむことしかできなかった。
……あーあ……びりびり。
怒り?
違う、ただ悲しかっただけ。