文化祭は大勢の人がやってきた。
おかげで大盛況。
忙しかったけれど、2日間の文化祭はとても楽しかった。
そして、文化祭が終わった次の日……。
「今日はラクだね」
「うん。片づけで1日終わりだもんね!!」
「文化祭サイコー!」
由美は……
元気に見えたけれど、表情が少し曇っていた。
明るい。けど……どこか悲しそうにしている。
「この紅白幕ってどこに片づけるのかな?」
「あー……奈菜しかわからないみたい」
「絢、奈菜がどこにいるか知ってる?」
「たしか……物理準備室!」
「え……物理準備室なんてあったんだ……」
「あたし、場所わかるから奈菜に聞いて片づけるよ」
「本当に?」
「うん。由美は他にも仕事があるから、あたしがやる」
「じゃあ、お願い!」
あたしは由美から紅白幕を受け取って、
奈菜のいる物理準備室に行った。
……奈菜、忙しそう。
「奈菜」
「あ……絢! どうかした?」
「紅白幕の片づけ場所がわからなくて、奈菜に聞きに来たの」
「紅白幕はたくさんあって大変だからあたしがやっておくよ」
「奈菜は仕事がたくさんあるじゃない? だからあたしが」
「でも……。重いし……」
「大丈夫! あたしは力持ち!」
「じゃあ……お願い!! 資料室1だよ」
あたしはゴミ捨て係。
とっくに仕事は終えていた。
だけど、由美も奈菜も荷物の片づけ……。
大変そうなふたりにこれ以上仕事は増やせない。

