あたしはドキドキしながらその様子を眺める。
「なに言ってんの?」
「由美知らないの?」
「知るわけないじゃん」
「もし知ってるってことがわかったら……、由美わかってる?」
「もちろん」
由美……ありがとう……。
派手なギャルの女の子たちは帰っていく。
……かばってくれた。
「由美、ありがとう……」
ふたりの女の子の姿が見えなくなると、あたしは由美にお礼を言った。
「あのふたりには気をつけて。あの子たち、陽くんのことずっと好きだったから。陽くんに本命の女の子できたって聞いて探しに来たんだよ」
「……ありがとう」
「じゃあさ、今日こそ、吐いてよね? 陽くんとの関係」
気のせいかもしれないけど……
由美はこのとき、明るい口調だったけど……、少し悲しそうで寂しそうな笑顔を浮かべていた。
「……うん」
「あたしも聞いていい?」
「「もちろん」」
そうしてあたしたちは店番をしながら話し始めた。
危ないってわかってるのに……
嘘をついてあたしをかばってくれた由美に、嘘はつけなかった。
「あたし、熱を出して休んだ日あったでしょ?」
「あー、あったね!」
「その日、優が陽を連れてお見舞いに来たの」
「桜樹が?」
「うん。その時、陽から告白されたんだぁ……」

