陽のクラスの出し物を聞いていなかったあたしも悪いけど……。
そんな、ホストクラブみたいなことするなんて、普通は思わない。
呆れてすねてしまったあたし。
まだまだ、お子ちゃまだな……。心に余裕がない。
3組の前を通り過ぎようとしたとき……。
中から揉めているような声が聞こえた。
「はぁ!? 陽、やらないってどういうこと!?」
「陽がやらなきゃ客入んないじゃん!」
「で? もとから俺、やるなんて言ってねぇし」
「最近、付き合い悪くない?」
「陽、どうしたのよ」
女の子たちに囲まれて文句を言われている様子。
そして……。
「……ったく」
「陽!? やってくれるの!?」
「さっすが!!」
「グチグチうるせぇ」
陽?
あたしたちが3組の前で立ち止まっていると……
明らかに不機嫌になっている陽と目が合った。
「絢……。こんなところでなにやってんだよ」
あたしたちに気づいた陽が教室から出てきた。
あれ、不機嫌が直った?
「由美たちと回ってるだけだよ……」
「掲示板見たんだろ? あからさまに嫌そうな顔すんな。やんねぇから」
そう言って、陽は突然あたしを抱きしめ……
耳もとで甘い声でささやいた。……恥ずかしい。
「浴衣、似合ってる」
「ちょ……っと陽、みんないる……っ」
「キスもしたいとこだけど、我慢してんだからな」
でた……。
いたずら小悪魔smile。かなわないこの笑顔。
「もう! 陽!」
「ハハッ 怒んなって!」
「意地悪」
「なんとでもどーぞ」

