タオルで陽の汗を拭うと、安心したようにニコッと笑った……。
「気づいてあげられなくてごめんね」
「…んなだせぇ事いえるかよ……」
「今度はゆったりしたの乗ろ?」
「そうだな……ありがとう……」
そうしてあたしたちは、絶叫系を避けて、メリーゴーランドやコーヒーカップに乗った。
陽にも苦手なことってあるんだね。
「絢って見た目によらず絶叫系強いよな」
「そう? 6年ぶりだから、すっごく楽しくて! 両親が離婚する前によくきてたの」
「離婚?」
陽には話してなかったっけ……。
考えていると陽はあたしの腕を引っ張り観覧車乗り場に向かった。
1周30分の観覧車。
順番が来てゴンドラに入るとすぐに陽は聞いてきた。
「絢の親、離婚したわけ?」
「うん。あたしが中学2年の時に離婚したの。お父さんの浮気……。まさかと思ったけどね!!」
「それで……?」
「今はお母さんとふたり暮らし……。お母さんは看護師だし、ふたりだと気をつかわなくていいからラクだよ」
「……複雑だな」
「陽ほどじゃない」
お母さんは女手1つであたしをココまで育ててくれた。
立派な人
そんなお母さんをあたしは尊敬し、憧れている。
「将来はお母さんと同じ看護師になりたいの……。陽って夢はある?」
「ある」
「陽の夢って?」
「俺は宇宙工学がやりてぇかなぁ? んで、絢と結婚して2人で暮らす」
「宇宙工学?」
「あぁ。大学も航空宇宙を専攻するつもり」
夢があるって……大切なこと
自分の夢を話す陽は、輝いていた。
あの、勇気をくれる場所でみた時と同じ強い眼差しで、前をみていた。

