このあたたかく広大な場所の風景は……
ずっとずっと、心に残るだろう。
そして、ここで誓ったことも……。
「絢、俺が働いて稼ぐようになったら結婚しろよ?」
「命令?」
「拒否権なんてやんねぇ。ずっと、絢みたいな女を待ってたんだからな」
「そんなこと……」
「そんなこと?」
直球で言わないで……。
恥ずかしくなる。照れて顔が赤くなる。
「あたしでよければ、そばにいさせてね」
「お前じゃなきゃ意味ねぇんだよ」
「もー!!」
「なんだよ」
突然出した大きな声に驚いた陽。
あたりまえだよね。
あたしはギュッと陽に抱きついて言った。
「……大好き……」
「俺はそれ以上」
「……っ」
「言えよ」
「な、なにを?」
「声、裏返ったけど?」
いたずらに笑いながら、陽はあたしを見ている。
『言えよ』というのは“愛してる”ってこと?
「絢、愛してる……。出会ったときから、お前の居心地の近くは居心地がよくて……心が安らいだ」
「あたしも、愛してる……。出会ったときから、陽の笑顔に魅せられたよ……」