空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜




陽の指差した方角……。


そこには力強く咲き誇る……黄金色の花があった。
みんな……太陽の方向を向いている。






「きれい……」


「だろ? 俺が小さい頃からずっとひとりで来てた場所」


「小さい頃からひとりで?」


「あぁ……。夏にはさ、こんな風に向日葵が強く咲いてる。勇気もらえんじゃん?」


「うん……」


「……だから、大好きなんだ。この場所が」






向日葵をバックに陽の笑顔が輝く。
小さい頃からひとりで寂しかった陽が見つけた、孤独をまぎらわす方法。





「大丈夫だよ……」


「なにが?」


「……これからはあたしがいる」


「……離れんじゃねぇよ」


「うん……。陽も」


「ばーか。嫌がられてもそばにいるっつーの」





陽はあたしの肩を引き寄せて、あたまをクシャっとなでた。

少し震える陽の手からは、
陽の不安が伝わってくる……。


陽は小さい頃から悲しい思いをしたから、人から嫌われることも、自分の前から人がいなくなることも極度に嫌がっている。

そんな陽を……


あたしは弱い陽も、強い陽も……



心から愛しく想ってる。