「絢、見てた?」 「うん! すごく上手だね!」 「べた惚れした?」 「もうしてます」 「まじ? さすが俺」 「うぬぼれ屋……」 「かっこいいから、しょうがねぇじゃん」 「もうほめない!」 「うわ! それはキツイ……」 あたしの頭を優しくなでながら陽は笑う。 ……猫になった気分。 付き合ってることは秘密にしてある。 なのに、こんな堂々としてていいのかな……。 人気者の陽だから、女の子の目が気になる。 今でも痛いくらい……。