放課後。
あたしは陽のバスケの練習を見に、体育館へと向かった。
部活はすでに始まっている。
先輩たちに混じって、陽はバスケをしている。
一生懸命な姿……。
初めて見る陽のバスケ姿。
いつもなんでも簡単にできちゃうから、こんな顔はみせない。
「陽! パス!」
「はい!」
「そのまま入れろ!」
エースなだけある……。
すごく上手い。
シュートは確実に決めるし、ユニホームも似合っている。
それで……
「キャーーー―! 陽!」
「あの汗もやば!」
体育館にはあたし以外にも見学に来ている女の子たち。
みんなが陽を好きになるのがわかる。
なんでもそつなくこなす陽に、こんなに汗を流して頑張ってる姿を見せつけられたら……余計にモテちゃう。
そんなの、みんなオチるにきまってる。
「陽、休憩とるぞ」
「はい」
「今日も絶好調だな」
「いえ、先輩方には及びません」
「うまいこというなぁ。なにもでないぞ」
「本当ですよ」
先輩ともうまくやっている。
すごく爽やかな笑顔。
その姿に見惚れていると……陽がゆっくりこちらに近づいてきた。

