優の隣には腕を組んで壁にもたれている陽がいる。
それにしても……
いったいなんの授業? 大丈夫なのかな?
「俺ら今、自習なんだ!」
あたしの心配そうな顔に気づいてか、優がそう言った。
そしてまた言葉を続ける。
「陽がな、さっき」
「優、黙れ! 絢、行けよ」
優の言葉を制して、陽が笑顔でいってくれた。
あたしは走りに戻る。
……陽がどうしたんだろう?
しばらくして、あたしと由美は決められた距離を走り終えた。
「あ~! 疲れた!」
「由美! おつかれさま」
「もう、5kmとか長すぎでしょ!」
由美は汗びっしょりで息を切らしている。
でも、今日の体育は走り終えたら自由解散だし、これで体育の授業は終わり。
あたしと由美は着替えて教室に戻り、
お昼休みに入った。
さっき登校したばっかと思ったら、もうお昼。
時間が経つのが早い……。

