あたしの髪を優しくなでたあと、陽はその手であたしの頬に触れる。



やっぱり……

冷たいね。



あたしは、陽の手に触れて、陽を見つめた。





「俺……絢を好きになってよかった…」


「えっ……?」


「ごめん。風邪の絢に、何いってんだよ……」

「…き…」


「なに?」


「あたしも……好き…」





陽の気持ちがきけた…。
好き…

もう迷わない。


陽が大好き


あたし、由美も信じるよ……





「マジ?」


「……うん…」


「もっかい……聞きたい」


「いっ、イヤだよ!陽だって言えないでしょ!」


「好き」





真剣に見つめる瞳


目をそらそうとしても、陽の手があたしの顔をしっかり、おさえているから…





「言えよ」


「ムリだよ……は、恥ずかしいもん……」

「俺もムリ……。初めて好きになった女が、俺を好きって言ってくれた。だから……何回も聞きてぇんだ」




熱い……

風邪で出ている熱のせいじゃない……


逃げたいのに……
逃げられない……


陽の綺麗な瞳から、そらせない





「す……すき…」


「やべぇ…。嬉しすぎて…どうにかなりそ」





さっきとは違う…。


悲しい笑顔じゃない

暖かくて、優しい


そして


エネルギーに満ちた笑顔


初めて会った時と同じ…
太陽smile…。





「俺は……絢しかみねぇから。絢は、俺だけのモノ?」


「絢も…、陽しか見ないよ…。絢は…陽だけのモノ。陽は…?」


「俺は、絢だけのモノ。いつでもどこでも、絢の好きなようにしろよ?」




あたしにとって初めての……

好きな人との両想いのはじまり……