空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜



どうしていいのかわからず、
あたしは結局、陽と距離を置くことを選んだ。

そして、陽に試合と文化祭の断りのメールを送る。



【試合……観に行けなくなっちゃった】



試合のことを断る……。
つい最近まで、心躍っていたはずなのに。

『観に来なかったら謝っても許さねぇ』

陽の言葉が蘇る……。


……今だけ。
あたしが由美と、陽を信じられるようになるまで……。



時間は待ってくれるかな?



【なんで?】



陽からはすぐに返信が来た。
直接聞かれたら、嘘だってばれちゃうからメールで安心した。



【ちょっと、予定が合わなくて……】



なんてありきたりな理由なんだろう……。
きっと、陽も気づいているんだよね。

それなのに


【なら、しょうがないな! 気にすんなよ!】


優しいメール。
理由も追及してこない……。


距離を置こうと思っても、離れようとすればするだけ……


陽といたいと心が叫ぶ。




しばらくして、再び陽からメールが届く。


【文化祭は?】


文化祭も断らなきゃ……。


【ごめんなさい……】

【ごめん……。理由聞いてもいい?】




陽が謝ることじゃないのに……。
あたしが謝らなきゃいけないのに。ごめんね、陽。