教室を出た優のうしろを追いかけ、
あたしは優の隣を歩いた。

……遅いとか言って、あたしのペースに合わせてくれている。


小さい頃は同じくらいの背丈だったのに。

いつのまにか、あたしより大きくなっている。
たくましいな……。






「おい」






そこに声をかけてきたのは陽。







「陽。 これから部活だろ?」


「そうだけど、優がヌケガケすんならやめようかなって思ったところ」






陽はいたずらに微笑んでいる。
そんな陽を見て優も微笑む。







「ヌケガケって……。お前、いつもしてんだろ。今日は俺が約束してるから。悪いな陽」






優が笑いながら陽に近づき、肩に触れる。






「じゃあ、部活がんばれよ」


「言われなくても」






陽と優は少し会話を交わして歩き出した。

あたしも優を追いかけて歩き出す。
そして、陽に向かって言う。






「また明日、一緒に帰ろう?」


「ああ。 また明日な」


「部活がんばってね」


「おう。じゃあな、絢」






そういうと、陽はあたしの頭をポンポンと軽く触り、部活をする体育館の方へ歩いて行った。


……どうしよ。顔が熱い。