5、6限の授業は苦痛。
いつもならそんなことないのに……
昼休みが楽し過ぎたせい。
「由美……」
「絢どうしたの?」
「陽……かっこよすぎだよ!!」
「うわっ!ツンデレだ」
「なんで!?」
「陽くんの前ではツンツンしてるくせに、あたしの前じゃデレデレじゃん」
たしかに…
陽にツンツンしすぎたかな……
嫌われなかったかな?
好きだなんて気づかなければよかった……。
陽と話すときツンツンしちゃうし、陽に会った後は授業に集中できない。
陽のことばかり考えちゃうし……。
「そう言えば、颯汰が萎えてたよ」
「颯汰くん?」
「うん。だって、絢さ、颯汰の事放置で陽くんしかみてないんだもん」
「えぇー!? だって…」
「まぁ、しょうがないか」
由美はあたしの頭をよしよしと撫でる。
陽と友だち以上を望むなら、あたしは努力しなくちゃいけない。
顔も性格もいいだけじゃなく、成績もトップクラス。
それなのに男の子たちとの関係も良好。
みんな、陽といると楽しいからかな。
本当に、人気者
「あの……絢……」
「なに?」
少し考えた様子で、由美が話しかけてきた。
あたしが首を傾げると……。
「あ、やっぱりなんでもない!」
「由美……?」
なにかを言いたげに、それでも言い出せない。
そんな様子。
でもあたしは、深く追及したりしない。笑って流す。
それが……一番いい。
きっと、由美にとって迷っていることだから話せない。
無理に聞くより、
由美から話してくれるのを待とう……。

