陽のほうを向いてパンを半分あげると、
「ありがとう」
って、笑顔でいってくれた。
あたし……
この笑顔がそばにあるのなら、友だちという関係でもいいのかもしれない。
「そこ! 二人の世界を作るんじゃない!」
「や、やめてよ! 由美!」
由美のせいで顔が一気に赤くなった。
そんなあたしをよそに、優も陽をからかう。
「俺をはばにすんな! 陽のくせに」
「優のくせになに言ってんだよ」
裏庭に響く笑い声。
他愛もない会話で盛り上がる。
3人の笑顔が眩しくて、この青空にとてもよく似合っていた。
楽しかったお昼ごはん。
その日を境に4人でいる時間も増えることになった。

