「絢!? 絢ちゃーん」
「由美……?」
「授業、終わったよ」
「あ、そうなんだ……」
気づけば授業は終わっている。
みんな、お昼ごはんを机に広げ始めていた。
そして、由美はお弁当をもって立ち上がる。
あれ……? 由美はいつも日替わりラーメンじゃなかったっけ?
「今日はお弁当!」
「そうなんだ! あたしは今日もパン!」
あたしは、いつもどおりパンを持ち由美と席を立つ。
……そこに。
「俺らも混ぜて?」
「桜樹!?」
「優!?」
「いい?」
「“俺ら”って桜樹ひとりじゃない?」
由美に同感。
優はひとりだ……。
「いんじゃん。あそこにモっテモテの、一ノ瀬くんが!」
「陽も?」
「つーか、陽が言い出したんだよ。『絢とメシ食いてぇ』って」
「陽が?」
「あぁ。女に興味ねぇ陽が珍しいよな」

