病院に戻った陽は
日に日に元気がなくなっていった。





「絢……俺もう……ダメかもしんねぇ……」


「絶対に、諦めないで! あたしが支えるんだから」






病院通いを続けているあたし。
勉強も最近、手につかない……。






「……っ……うっ……」


「陽!?」


「……っ」






痛み止めも効果はないみたい。
返事をしない陽。


どうしよう……っ


パニックになっているあたし……
『落ち着いてナースコールを押しなさい』

お母さんの言葉が頭をよぎった。


看護師さんを呼ぶと、慌てた様子で先生を呼んでいる。





「ちょっとすみません! ここあけてください!」





……陽……陽。
嫌な想像が頭をよぎる……。

先生が病室に着くと、陽はまた処置室に運ばれていった。






「陽……っ……陽……っ」






静かな処置室の前で、無事を祈る……。

陽が……助かりますように



陽が処置室から出てきたのは、夜だった。

月と星が輝いている。




こんなにきれいな星空なのに






「絢……」


「お母さん……陽は?」


「……頑張ったわ。声をかけに行きなさい」




お母さんは静かに言った。

声をかける……?
さよならを?



絶対ないよね……?


約束破らないって言ったもん……


陽はまた笑顔をみせてくれるはず。




でも……
そんな期待は淡く崩れ落ちる