あたしが話し終えると、由美は静かに聞いた。
「絢は、自分の気持ちがわからないんだよね?」
「うん……」
「あたしね、これまで陽くんが女の子にプレゼントしてるところなんて見たことないんだ……」
「そう……なの…?」
由美は一度うなずいて話しを続ける。
「陽くんはね女の子に興味すら持たなかった。その陽くんが、絢に初めてのことをたくさんしてる。少なくとも陽くんにとって……絢は特別だよ」
“絢は特別だよ”
……あたしの心に由美の言葉が響く……。
初めて……? プレゼントが…?
陽は女の子経験も豊富そうで、付き合ったらプレゼントだってしてそうなのに……。
あたしが“初めて”……?
その言葉に、なぜか胸がきゅっと締め付けられた。
イヤじゃない……。すごくうれしい……。
由美に言われるまで気づかなかった。
あたしは陽のことが好きなんだって……。