「なんだよ……。あの写メ……」


「陽はあたしがウザいんだもんね? そう言ったよね?」




あたしはちょっとスネて見せる。





「っ……ごめん……。悪かった」


「本当のこと。陽の口から聞かせて? 嘘ついたら舌引っこ抜くよ」





陽をじっと見て言った。

観念したかのように陽はため息をついて、苦笑する






「笑った……」


「自分への笑いだよ。かっこつけようとしたのに結局、かっこついてねぇし……」





髪をクシャっとした陽。

……久しぶりに見る陽のその仕草……。





「舌引っこ抜かれたくないからちゃんと話すよ」


「うん」


「絢のためだよ。全部。俺が癌だって聞いたらお前は泣く。泣かせたくなかったんだよ。俺のせいで泣くお前をみたくなかった」


「陽……」


「でも、そんなのただの言い訳にしか過ぎねぇなってひとりになって気づいた……。本当は俺自身が伝える勇気もなくて逃げただけ。結果、絢のことも泣かせたしな」





陽の優しさが伝わる……。

いつだって陽はあたしを心配してくれていた。
自分が癌だって言われたのに、あたしのことなんか考えて……。


涙が無意識のうちに流れていく。

あたしの涙を拭って微笑んだ





「光を見つけたんだ。和泉 絢っていうぬくもりと光。なんかくさいセリフだけど……」


「陽」


「なに?」


「好きです」






もう逃げない

迷わない


陽だけを好きでいるから。
なにがあっても陽はあたしのヒーロー


覚めない夢を見せてくれる人だから