その沈黙を破るように先に口を開いたのは陽。
夢に見た。
陽の姿……。背が高くて……あたしに口角を上げながら笑いかけてくれる。
もうかなわない夢だとさえ、思っていた。
あきらめかけていたのに……
「ビビった……」
「また言われた……。あたしはそんなにビックリする人?」
「少なくとも俺にとってはな」
微笑んでから、あたしをまっすぐ見てくれた。
……陽だ……
あの頃と変わらない。
「あーあ……チョーだせぇ……ジェットコースター乗れない並みに」
「陽……」
「同情ならいらねぇよ? とりあえず……座れば?」
近くのイスを指さして屈託なく笑う。
幾度となく見てきた。
陽が髪をクシャっとする姿。
「なつかしい……。元気? ってそんなこと聞いてる場合じゃねぇって感じか」
「ありがとう」
「変わらないくらいバカだなお前。なんで礼なんて言うんだよ」
あたしは知ってるから。
陽の優しさ。
「だって陽は……」
「全部聞いた?」
「うん……」
「そっか。ちょっと絢」
陽はベッドに座りなおした。
そしてあたしを手招きする…。
「もっと近くに来いよ」
「なぁに?」
あたしに耳打ちした。
窓から空が見える……。
日が沈みかけている。空がほんのり紅い

