青空を見上げて優は話す。

風がきれいな優の長めの髪を揺らした。
青い空に消えていくあたしの想い

あの日すべてを失ったはずなのに……。





「ずっと助けてやるから、なんかあったら言えよ?」


「えっ」


「これが別れてやる条件だからな」





優しすぎる人

お人よし

おせっかい


いい言葉は優自身にとても似合う。






「そうだ! 別れた記念にプレゼントやる」


「あたしに?」


「そうそう」






手招きされて、優に近づくとこそっと耳打ちした。

一気に赤面するあたし。
その内容……





「陽はまだ、絢が好きだよ」


「なっ! なにを根拠に」





微笑んでいる優は徐にケータイを開いてあたしに見せた。
画面にはメールボックス。



<陽>


陽とのメール?

それは送信ボックス。
優は陽へのメールを1件見せてくれた