優のくすぐり方は本当によく効く。
あたしが笑い泣きしていると……





「好き?」


「好き」





優は本当にうれしそうに笑った。

あたしの周りには笑顔が多い。
それは今でも変わらない。





「俺しか見えない?」


「うーん どうだろう?」


「じらすなよ」





コツッとあたしの頭を突く。
優に耳打ちする






「優だけ」


「やっとかなった」






ずっと、中途半端なことなんてしなった優は
このとき、初めて本気のキスをくれた。

優しい人はキスまで優しい。

記憶は思い出に変わっていく……。
そして、その瞬間にあたしは気づいている






「絢」


「なぁに?」


「その笑顔最高っ!」





優はずっとあたしのそばにいてくれるのかな?

離れていかない?
あたしの表情の変化を見た優は優しく言った






「どうした?」


「優は……あたしのそばにいてくれる? ……ずっと、ずっと……」