秋風があたしの頬をかすめる

優はずっとあたしのそばにいた。
心地よい愛で包んでくれていた。





「絢」


「なに?」


「なんでもない。 ただ呼びたかった」





優しく微笑む。
この空間はすごく落ち着く……。

あたしは優にピタッとくっついた。
腕を組んで、もたれかかる






「どうした?」


「ううん……。 すごく心地いいなって」




肩を抱きしめて髪を優しく撫でてくれる。

大きなあたたかい手

陽の手はすごく冷たくて……
でも、優の手は熱いくらいあたたかい。






「俺のこと好き?」


「……ん?」


「好き?」





好き?
そうなのかな……。

あたしは優に惹かれるようになっていた。確実に……






「なんて言ってほしい?」


「『好き』って言ってくれる?」


「どうしようかな?」





わざと優を茶化して笑った。

すると、あたしのわきをくすぐってくる。