優はすべてを忘れさせてくれていた


一緒にいると……
あたたかくて、落ち着いて、安らいで
楽しくて、うれしかった



あたしはいつしか陽のことも忘れていた

学校にも姿を見せなくなった陽を……。


“これが正しかったのかもしれない”

いつしかそう思うようになっていた



奈菜への罪悪感もあったけど……
奈菜は「桜樹くんが幸せそうでよかった」と言って、微笑んだ


優はいつもあたしを優しく包み込んでくれた

そして、月日は流れていく―――…。