結局
あたしはなにも変われないまま
重い気持ちのまま
修学旅行に参加することになった。
それにしても空港に集合なんて……
絶対、迷子になるに決まってる。
「おかぁさぁん!」
「なに? 情けない声出して」
「今日、空港で迷子になるっ!どうしよ……」
「優くんが迎えに来てるから安心しなさい」
「優っ?」
あたしの明るくなった顔を見てお母さんは笑った。
最近、暗い顔をしていたのに気づいていたお母さん。
それでも、
『自分で解決しなさい』
って。
優しい言葉をくれたわけじゃないけど救われた。
「さ、楽しんでいらっしゃい」
「はーいっ」
玄関を出て優の笑顔を間近で見てしまった。
一気に顔が赤くなってしまう。
「なに、俺の顔見て赤くなってんの?」
「なってないっ」
「ふーん……」
あたしが先に歩き出すと、あたしの前に来て顔を近づけてきた。
この、2大モテ男の子のひとりは……っ
きれいすぎる優の顔にまた、赤くなる。
この意地悪っプリ……。
もうひとりのモテ男の子、陽と気が合うだけある。
「やっぱ俺の顔みて、赤くなってんじゃん」
「うぬぼれないで」
「困るなぁホント」
あたしは怒ったように歩き出した。
「優の意地悪」
「あのさ……。頼みがあるんだけど」
優の頼みはやっぱり珍しい。
さっきのふざけていた感じじゃなくて、真剣な話し方になっている。
怒っていたのも忘れて優の隣を歩いた。
「できることなら」
「絢にしかできねぇよ」
「なに?」
「明日の沖縄での自由行動、ふたりで回らねぇ?」
「自由行動……?」
「や、なんつーかイヤならいいけど……」
イヤじゃない。
優といればすごく楽しいし、悲しくなんてなくなる
だけど……
あたしの頭に奈菜のことが浮かんだ

